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第九回:「対戦相手の気持ちをリスペクト」

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絶対に勝ちたい!絶対に負けられない勝負があったとしましょう。そんな時、みなさんはどのような気持ちで勝負に挑みますか?

「勝ちたい気持ちだけは他の人には絶対に負けません!」

そうやって意気込むのはいいでしょう。しかし、これから対戦する相手の気持ちを少しでも考えたらどうでしょうか?

麻雀をやってきて嬉しかったこと、賞賛を受け名誉に思ったこと。麻雀をやってきて悔しかったこと、批判を浴び屈辱を受けたこと。対戦相手に親しい麻雀仲間や麻雀関係で知り合った縁者はどれくらいいるのか。対戦相手にお世話になっている先輩や慕ってくれている後輩はどれくらいいるのか。

対戦相手がどのような経緯で麻雀を覚え、どのような人達と卓を囲んできたのか。また、対戦相手の勝利を願っている人はどれくらいいるのか。よほど親しい間柄でもない限り、対戦相手の対局に挑むまでに至る経緯を窺い知るような機会はほとんどないと思います。

「絶対に勝ちたい!」その理由は人それぞれ違っても、自分にとってそれほど大事な勝負なら、対戦相手にとっても同じように大事な勝負であるという可能性は十分にあります。

勝ちたい気持ちが自分だけ特別に強く、他の人が特別軽いわけがないのです。「対戦相手をリスペクト」とはよくいいますが、リスペクトするのは対戦相手ではなく、対戦相手の「絶対に勝ちたい!」と思う気持ちなのです。


例えば終盤の選択、もう残りツモ番も僅かといったところ。他家が一見通りそうに見える、リーチの非現物の牌をしれっと通してきました。

や、待てよ?もしも相手が完全にベタオリだったらとしたら、他にも安全そうな牌が手の内にありそうなものではないだろうか?


トイトイまたはホンイツに見えるような仕掛けに対して、他家が2枚切れ、または3枚切れの字牌をノータイムでツモ切った。

や、待てよ?絶対に放銃したくないと思ったら、字牌を持ってきた瞬間に、場に出ている枚数をほんの一瞬でも目で追ったりしないものだろうか?


「絶対に勝ちたい!」と思う人が選ぶ1打1打が、そんなに軽いわけがないのです。相手の気持ちをリスペクトできたら、赤字のようなことも慎重に考え、ついうっかり・・・といった油断によるミスも減るのではないかと思います。

麻雀は己の判断力を問うゲームです。判断材料は卓上に出ている情報だけではありません。自分の気持ちを前面に押し出して戦うのも良いでしょう。しかし相手の気持ちも汲み取ることも忘れずに。対戦相手も自分と同じように「絶対に勝ちたい!」と思っている前提で戦うことが大事なのです。

その上で自分にとって最も有利と思われる判断を下すこと。「絶対に勝ちたい!」という意気込みや良し!しかし相手の気持ちを舐めるようなことがあってはならないのです。





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