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第三回:「不幸自慢」

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麻雀を全く知らなかった同居人の話です。なぜか突然ネット麻雀にはまりだし、役も点数もわからないまま、3か月で1000半荘以上打ちこんでいました。当然負けることのほうが多いのですが、うまくいかないたびに癇癪を起こし、負けた時の口癖が決まって――「このゲームは絶対に仕組まれてる!」とのこと。

初心者中の初心者の戯言です。なるほど、負けたらそんなふうに思うものなのか~と、その様子を微笑ましく眺めていました。こういった感想を抱くのは、何も初心者に限った話ではないのです。

・なぜか最近残り15筋くらい残ってるリーチに対してワンプッシュが全部12000クラスに刺さっているんだよなーおかしい

・下手な人はゼンツが多く、 リーチに対してほぼ追っかけてくるか、鳴いてあがってくる。 先制良形テンパイしても一発ツモられ、 掴まされロンばかりだからやる気もなくなるよ。

その初心者よりも雀力は上であろう、麻雀歴だって相当長い人たちがTwitterや、ネット麻雀のレビューで、全く同じような愚痴をいうのをよく見かけます。腕前だけは成長したものの、麻雀の結果に対する考え方、論理的思考が、ちっとも成長していない証拠です。今日はそんな人のためにコラムを書きます。

論理的思考を妨げる3つの要因その1・決めつけ、思い込み

良い牌をツモる、裏ドラがのる、当たり牌を掴むetc・・・これは全て「偶然」起こる出来事です。麻雀は抽選ゲームですから結果は偏って当然です。しかし良い結果が偏ったり、悪い結果が偏ったりすると「偶然」とは思えず、次も〇〇に決まっている!と決めつけたり、次もきっと△△なんだろうな・・・と思い込むこと。そういった錯覚が論理的思考を妨げる一因です。

論理的思考を妨げる3つの要因その2・欲望、感情

アガリたい、勝ちたい、振り込みたくないetc・・・「欲望」や「感情」は、己のモチベーションを保つ効果はあるものの、今ある状況の中で最も優れた選択をするための考察には不要、むしろ邪魔でしかありません。

論理的思考を妨げる3つの要因その3・自己認識

自分の長所、短所は何ですか? と考えたとき、自分の性格を改めて評価することになると思います。そういったときに「自己意識」がより強力になっていくそうです。つまり、自分のことを考えれば考えるほど、客観的評価が出来なくなり、自意識過剰になる傾向があるということです。ポジティブな自意識過剰、ネガティブな自意識過剰、自意識過剰にも色々ありますね。

一時の「偶然」に一喜一憂するのが麻雀の醍醐味ともいえます。ところがその「偶然」に納得がいかず、負けた時にだけあたかも自分一人だけが不利な抽選を受けているかの如く、愚痴や不満を漏らすのはいかがなものでしょうか?

また当たり牌を掴んだよー!と、不幸自慢をアピールする人は、当たり牌を掴んでいない時のこともカウントしましょう。掴んでいない時のほうが圧倒的に多いはずなのです。

また裏ドラが乗らなかったよー!と、不幸自慢をアピールする人は、1000半荘くらいさかのぼって、裏ドラが乗った時の回数もカウントしましょう。そうするとほぼ確率通りに収束していることがわかるはずです。

不幸自慢は他人が聞いても気持ちが良いものではありません。その不幸、あなただけでしょうか? いいえ誰でも。



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